【レポート】高体連トレーニング講習会@慶應義塾

公開日:
フィジカルコーチ

大野高峰

高体連のトレーニング講習会を、慶應義塾高校の教室にて実施いたしました。

4年前に初めてご依頼をいただいてから継続しており、今年は80名もの方々にご参加いただきました。

講師という立場ではありますが、私自身にとっても多くの発見がある有意義な時間となりました。

▪️講習の内容

今回の講習は、以下の3部構成で実施しました。

  1. トレーニングの目的・種類を理解する

まずは「なぜトレーニングをするのか?」「バランス良く取り組めているか?」という本質を整理し、選手たちが普段のメニューに落とし込んで考えられるようアプローチしました。

2.身体の仕組みを知る

身体の普遍的な原理原則である機能解剖学の基礎や、「Joint by Joint Theory(ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー)」などを解説。日々のコンディショニングエクササイズの理解をより深めるための知識を共有しました。

3.フィジカルチェック〜改善エクササイズ

動きの癖を可視化するため、場所を選ばずに行える3つのスクリーニング(フィジカルチェック)を実施しました。これにより、関節の可動域や筋力、運動連鎖が正しく機能しているかを確認できます。

【チェック項目】

FMS(ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン)の中から2種目(ディープスクワット、トランクスタビリティプッシュアップ)と、片脚スクワットを採用しました。

この3種目だけでも選手の特性が顕著に現れ、どの改善エクササイズを選択すべきかが明確になります。

改善エクササイズのパートでは、日頃行っているウォームアップ種目を中心に指導。「ただ何となくやる」のではなく「意識すべきポイント」を明確にして動いてもらったところ、「エクササイズだけでこんなに動きが変わるのか!」と驚いている選手も多かったです。

▪️講習を通して感じたこと

片脚スクワットの重要性と怪我予防

当然の結果かもしれませんが、左右とも片脚スクワットが正確にできた選手は、ディープスクワットもクリアできていました。各関節の「可動性(モビリティ)」と「安定性(コントロール)」が両立していなければ、片脚で深くしゃがむことはできません。

スキーで多発する「前十字靭帯(ACL)損傷」の予防という観点からも、片脚でのコントロール能力は必要であると考えています。

Melbourne ACL Rehabilitation Guide 2.0でも、リハビリのフェーズ2では10回以上、フェーズ3では22回以上の片脚スクワットができることが推奨されており、競技復帰やパフォーマンス向上の大きな指標となります。

トランクスタビリティに見られた性差

トランクスタビリティ・プッシュアップ(体幹の安定性テスト)では明確な性差が出現し、女子選手の方がクリア率が低い傾向にありました。 実際、女子選手は肩回りや腰椎・骨盤帯の体幹部が不安定になりやすい印象があり、今回の測定結果はそれをそのまま反映していると言えます。女子選手が多いチームや環境では、より体幹部の安定性(スタビリティ)を高めるエクササイズを積極的に導入していく必要があると感じました。

今回の講習会での経験を次の指導現場にも活かしていきます!